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琵琶湖物語番外編/臆病者のすすめ

不明の2人、遺体で発見
高島沖の琵琶湖 船転覆か


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中村さんの遺体を収容する木之本署員ら(14日午後0時半ごろ、滋賀県西浅井町・大浦港)

 滋賀県西浅井町から和船で琵琶湖に釣りに出かけ、行方不明になっていた彦根市の男性2人が14日昼ごろ、高島市新旭町の沖で見つかったが、死亡が確認された。

 木之本署によると、彦根市西今町、会社員尾本光史さん(47)と同市犬方町、食品加工卸売業中村幸夫さん(43)で、乗っていた船は見つかってない。

 尾本さんは沖合約2・3キロ、中村さんは同約3キロの湖面で発見された。2人とも救命胴衣を着用していた。死因は水死とみられる。

 尾本さんらは仲間4人で、13日午前8時半ごろ、西浅井町大浦から和船2隻に分かれて、高島市マキノ町の海津大崎方面に向かった。昼食のためいったん帰港して再び出港し、1隻は強風のため午後4時ごろに戻ったが、尾本さんと中村さんは戻ってこなかった。

 14日は朝から、県警や湖北地域消防本部、地元漁協などから約100人が出て、警備艇や漁船計9隻と県警ヘリコプターで捜索していた。

 彦根地方気象台によると、12日夜から湖北地域では強風注意報が発令されていた。

 ■強風、懸命捜索実らず

 強風に見舞われた琵琶湖で釣り客2人が命を失った。西浅井町大浦の大浦港では、亡くなった尾本さんと中村さんの家族や地元の漁協関係者らが懸命の捜索活動を見守ったが、遺体発見の報に肩を落とした。

 捜索にあたった西浅井漁協の竹田忠雄組合長(74)は「昨日は強風で刺し網漁船なども漁を中止していた。釣り客が出るのは無謀だったのでは」とやりきれない表情で話した。

 尾本さんらとは別の船に乗っていた会社の元同僚の男性(53)は「風が強く湖岸寄りを通って帰港したが、2人も後方から港に向かっているように見えた。無事を願っていたが」と言葉を詰まらせた。

 指揮本部が設けられた大浦港には朝から2人の安否を気遣う地元住民らも集まった。捜索に望みを託した家族らは遺体と対面し、泣き崩れた。

 (京都新聞 2008年1月14日)

釣りの男性2人死亡 琵琶湖でボート転覆か

 14日昼ごろ、滋賀県高島市新旭町藁園の沖合の琵琶湖で、エンジン付きボート(長さ約10メートル)で釣りに出たまま行方不明になっていた同県彦根市犬方町の自営業中村幸夫さん(43)と、同市西今町の会社員尾本光史さん(47)が浮いているのを、県警の警備艇などが見つけた。

 いずれも心肺停止状態で、まもなく死亡が確認された。県警木之本署はボートが転覆し、湖に投げ出されて水死したとみている。

 調べでは、2人は13日午前8時半ごろ、同県西浅井町の大浦漁港を出港し、高島市沖でビワマス釣りをしていた。同日午後4時ごろ、別のボートに乗った友人らが目撃したのを最後に行方が分からなくなり、県警などが捜索していた。

 (朝日新聞 2008年1月14日)



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事故当日の風力データです。 ただし高島市の地上で観測されたデータです。

想像ですが遮蔽物のない吹き曝しの湖面は、もっと強風が吹いていたのかもしれません。

データを見ると当日の最大風速は5メートルでしたが、転覆事故が起きたと思われる16時がもっとも風の強かった時間帯でした。

事故当時の詳しい情況はもちろん分かりませんけど、強風注意報が発令されていました。

通常この注意報は、風速がおおむね平均10メートル/秒を超えた場合に発令されるそうです。 ただ実際の運用では陸上で12メートル以上が多いようです。

さて風速10メートル以上の風てどうなものなんでしょうか? 下の表を見てください。 最低でも風力5はあるてことですね。

因みに船舶免許の実技試験は風力5で中止となります。 危険だからです。教官が乗っていてもですよ。


 階級   呼称     風 速        海上の様子
 風力5  疾風  8.0~10.7m/秒  水面に波頭がたつ
 風力6  雄風 10.8~13.8m/秒  白く泡立った波頭が広がる
 風力7  強風 13.9~17.1m/秒  波頭が砕けて白い泡が風に吹き流される

琵琶湖の北湖の水深は平均で43メートル、最深で104メートルもあります。 関東のルアー・フライのメッカ芦ノ湖の最深ですら43メートル、平均15メートル程度しかありません。

それから見ると琵琶湖の北湖はとても深い湖です。 深いてことは荒れると波がなかなか治まらないことや、波の波長が長いのでボートみたいな小船だともまれてとっても怖い思いをします。

一般的にボートの横幅と同じ高さの波までは転覆せずに持ちこたえるといわれているようですが、よく自分の乗っているボートの横幅を見てみましょう。 2メートルも3メートルもありますか? 船は横波に弱いものです。

ベタ凪のときでも周囲の波具合には注意をしておきましょう。 知らない遠くで大きな観光船や漁船が走った影響なのか、突然凪いでいるなか波がぐわぁと押し寄せてくることがあります。

強風大波で怖くなりそうと感じたら、思うではありません、感じたら早目早めに避難して帰港しましょう。 危なそうと感じたらもう舳先が桟橋に向いているくらいの臆病さが大事だと思います。 これ原則です。

ただし鉄則ではありません。 無理に何キロ先の遠くの桟橋までに、荒波かぶって転覆の危険を冒してまで帰る必要はありません。 もう自分の操船テクニックでは手に負えないとか転覆の恐怖で怖くなったら、近くの風裏の場所や浜に緊急避難しましょう。 当たり前の話、波が小さいところでは転覆しませんし、陸に上がれば水死することもありません。

むかし山上湖の中禅寺湖で天候急変で強風雷雨のなか死ぬような思いをしましたが、周りのベテラントローラーたちは国道端の浜に10色曳きのまま船ごと緊急上陸してました。


何を身に着けておくべきなのか

    水 温        生存可能な時間
  5℃ ~ 10℃   1時間から3時間の生存可能
 10℃ ~ 15℃   1時間から6時間の生存可能
 15℃ ~ 20℃   2時間から40時間の生存可能

事故当日の水温はたぶん10℃なかったんじゃないでしょうか? 私が10日前にビワマスの曳き釣りに行ったときで10℃でしたから。

生存可能時間はその人の体力や体脂肪、服装により異なりますが、10℃ない場合は長くても3時間で体温低下で衰弱して死んでしまいます。

どうですか、冷たい水に落ちるとたったこれだけしか生きていられないのです。 だから落水したら生死を分けるのは一分一秒でも早く救助を呼ぶことです。 これに尽きます。

そのため臆病者の私は、ライフジャケットに防水仕様の携帯電話と無線機を伸縮コードで括りつけています。

無線機までとはいいませんが、防水携帯電話は必須アイテムです。 ライフジャケットと同じくらい大事な命綱です。 ライフジャケットでは助けは呼べません。

防水仕様は絶対必要です。 いくら携帯電話を持っているからといって、体ごと水にドボンして携帯電話が逝ってしまったら使えません。 デジカメにもアドレス帳にもなりません。

またいくら防水仕様といってもドボンした瞬間に手から落ちて湖底に消えていったらまったく意味がありません。 スプリングコードなどの紐でライフジャケットに結んでおきましょう。

スプリングコードなんてダイソーで色取り取り売っています。 百円ケチって命落としますか?

あと湖上で電池切れなんて寝ぼけたことをいわないようにです。 出漁の前にバッテリーは満タンにしておいてください。

私は出漁前には、携帯電話と無線機とGPSのバッテリーは必ずチェックしています。

それとライフジャケットを過信しないでください。

ライフジャケットなんて遺体が家族のもとへ帰れることを、最低限約束しているアイテムに過ぎないのです。

一度試しに止水の淡水にライフジャケットを着て飛び込んでみてください。 意外に浮力の弱いのにびっくりします。 たぶん首までたっぷり浸かるんじゃないでしょうか?

いいですか、波がなくても首まで浸かっていることは、転覆するような大波があったらどうなるでしょうか?

むかしヤマハボートの人と雑談した際に、(ライフジャケット着ていても大波に)「もまれたら同じですよ」といわれたことがあります。 波にもまれて沈められ続けられるので、ライフジャケットを着ていても結局溺死するてことです。 ただしもちろんライフジャケットを着用している場合の方が、統計を見てもずっと生存率が高いですよ。

何がいいたいかというと、自分はライフジャケット着ているから万が一落水しても大丈夫なんて、根拠なく過信して無理なことをするなてことです。 ライフジャケットを着用していても、場合によっては水死するケースもありえます。 今回の事故も新聞記事によると死因は水死とみられると書いてあります。

ライフジャケットを着用していないと沈んだ遺体は、深水層の冷たい湖流(還流)に乗って腐敗もせず永久に琵琶湖を彷徨うそうです。

私はそれを想像しただけでも怖くてライフジャケットは手放せません。


寒の三十日は寝て暮らせ

これは琵琶湖の漁師に伝わる有り難い言葉です。 寒の30日とは1月6日の小寒から2月3日の節分までの約30日間をいい、暦では一年間で最も寒い時期でもありますが、湖上では最も荒れる危険な時期です。

漁師は無理に出漁せず漁具の手入れをしておとなしく過ごすものだと、長い経験からそうされているのでしょう。

最初から大荒れであれば誰でも出船を見合わせますが、出船時に穏やかであっても天候急変で大荒れとなることも多い時期でまったく油断できません。 そのためそんな危険を冒してまで漁に出るなということです。 魚獲りに行って土左衛門になったら元も子もありませんから。

冬は南西からの強い風がよく吹き大荒れになります。

しかもこれとは別に北西の突風がいきなり吹き荒れることもあり、これも転覆するぐらい怖いです。 またこの北西の突風はあまり季節に関係なく春にもよく吹くそうで、北西から風が吹き出したら要注意です。

私も最初に漁師の爺様から「北西の風には気ぃつけやぁ」といわれました。


アウトドアは見切り千両

船舶免許取得の教習で、教官が最後に私たち生徒にいった言葉です。

いちいち説明しませんが含蓄ある言葉ですね。 水の上に出たらこの一言に尽きると教官もいっていました。

これが分からない人は、管理釣場やオートキャンプ場は別にして、特に単独系のアウトドア・スポーツは是非お辞めになられた方が良いでしょう。 いつか命を落とすと思います。


自然はあまねく平等で情け容赦しない

大波がボートを襲ってきたとき、そのボートに若い美人の女性がいたり、赤ちゃんが乗っていたりとか、日本を代表する大会社の社長が乗っていたとしても、その大波がそのボートだけを避けて行ってくれるでしょうか?

自然はみんなに平等で情け容赦してくれません。 女であろうと子供であろうと社会的地位が高かろうと、そんなの関係ねぇで平等に扱ってくれます。

いったん水の上に出たら俗世間のつまらない地位や意識を捨てて、謙虚に畏れを持つマインドが必要だと思います。


琵琶湖はバカみたいに広い

- 関東からの遠征する人へ -

ポイントから桟橋までスロットル全開で15分とかの関東あたりの湖とは、琵琶湖は訳が違います。 ボート屋がある大浦の湾だけで、芦ノ湖と大して変わらない広さがあります。 ポイントはそのずっと先ですから、いかに遠いか広いか分かりますよね。 GPSは必須装備です。岸なんて見えません。

疾風怒涛の大荒れの芦ノ湖を全開で箱根から湖尻へ縦断できますか? 琵琶湖の釣りはもっと遠いですよ。 やばくなってきたら全開で帰ればいいやなんて寝ぼけたこといっていたら、いくつ命があっても足りませんよ。

それと乗船したら燃料タンクを確認してください。 ボート屋の親父さんがちゃんとやっている筈なんてアナタ任せではダメです。 これからゴビ砂漠を単独横断する人が、出発前に燃料タンクを確認しないで出て行くと思いますか?

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プロフィール

choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

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