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怖い話 キャンプ場の女②

「キャンプ場の女①」の<つづき>です。
①からお読みください。

元祖・釣技旅団突撃隊のお楽しみコンテンツ「本当にあった怖い話」シリーズからのリメイク版だよ。
もうすぐお盆だし定番の企画ものです。最近更新していないし。
なお①の文章中にエロい表現がありますので、気になる方はパスしてくださいね。



<つづき>

( 林の前に人が立っている・・・!? )

その人物は実にゆっくりと釣師郎たちのテントに向かって歩き始めた。釣師郎は、初めはトイレに行った隣りのテントの人が自分のテントに戻ろうとして歩いていると思ったんだが、やっぱり違うんだ。間違いなく釣師郎たちのテントに向かって来る、異常にまでゆっくりとゆっくりとね。

ザッ・・・、ザッ・・・、ザッ・・・・・・・

とってもゆっくりした足音がしっかりと聞こえてくるんだ。近づくにしたがって、その人のシルエットが青白く見え出したんだ。

( オ、オンナの人だ・・・!? )

150センチぐらいの背丈でパーマをかけている髪形の女性の感じのシルエットが、テント越しにはっきりと見える、青白くね。 

隣りで寝ている笠尾も目をかっと見開いて起きている。

( なっ、何なんだ、この女は・・・? )

その女はとうとう釣師郎たちのテントの入り口のまん前にぴたっりと立ち止まった。

1分くらいの沈黙が過ぎる。その女はぴくりとも動かない。しかし、薄い布越しに上から見下ろしてくる強い視線がひしひしと感じられるんだ。まわりの空気がどんどん重くなっていくのがわかる。

「ス・イ・マ・セ・ン・・・」

か細く抑揚のない低い声が上から聞こえてきたんだ。

( もう、これは寝たふりして無視するしかねぇぜ! そのうち諦めてこの頭の変な女はどっか行っちまうだろ。)

釣師郎たちは無視することに決めたんだ。 そしたら1分ぐらいしてまただ。

「ス・イ・マ・セ・ン・・・」

さっきと同じか細い抑揚のない低い声が聞こえてくるんだ。

( 無視、無視、無視・・・ )

その女はじっと動かない。そして1分ぐらい経ったらその女のシルエットから、すうっと片方の腕が伸びてくるのが見えたんだ。その手は釣師郎たちのテントの屋根に伸び、屋根の稜線を握り、テントをゆさゆさと揺らしながらさっきより少し大きい声で・・・。

「ス・イ・マ・セ・ン・・・」

さすがの釣師郎たちも、こりゃこのまま無視したらテントの中に飛び込んで来んじゃねぇかと、怖くなってきたんだ。それで意を決して釣師郎は返事をすることにしたのさ。

「なんか用ですか?」

「ス・イ・マ・セ・ン・・・」

その女はそれしか繰り返さない。当時は幽霊みたいな人知を超えた存在は頭から信じていないから、この女は精神異常者かそれとも新たな生贄を探している淫乱女かと思い込んでいたんだ。

まぁこのままでは仕方ないから、釣師郎はテントの入り口のジッパーをズズズッと上げて、寝っころがったまま顔をぐいっと外に出したんだ。

だから釣師郎の顔の位置は地面すれすれであったため、目の前にその女のつま先をまずは見ることになったんだ。そぉと釣師郎は下から舐め上げるようにその女を見極めるようにしたのさ。

生足に白いエナメルのサンダル、ちょっとぽっちゃりした素足が青白く光り、ぴっちりとした白いホットパンツ、ゆったりめの白い半そでのブラウス、時計やアクセサリーが一つもついていない両手はぶらっと下げている。 

そ、そぅ、顔が問題なんだよね。その時はその異常に気がつかなかったから怖くなかったんだけど、気がついたらどうなっていたんだろうか? 

水銀灯の青白い光りをしっかりと順光で照らし出されているその女の顔はね・・・、ぽっちゃりとした丸顔の二十歳ぐらいの女で、短めのゆるいパーマをかけた短い黒い髪形、薄い唇をしっかりと閉じ、にこりともぜずまったくの無表情で釣師郎を上から見下ろしているんだぜ。

( こんな深夜に他人の男を無理やり起こして、にこりともしないで・・・。やっぱこの女、頭おかしいんとちゃうの・・・!? )

何で無表情かと判断したかと言うと口の形だったんだけど、最も表情豊かな肝心の両目は深い闇に包まれてまったく見えないんだ。その時はそこまで頭が回らなかったのよ。正面から顔にばっちり水銀灯の光を受けているのに、両目以外はしっかり照らし出されているのに、なぜかなぜか目の周辺だけは光りが避けているように、真っ暗になっているのさ。

「あの~、なんか用ですか?」

釣師郎は今度は強めに訊いてみた。

青白い無表情なその女は、こう釣師郎に問われてもぴくりともせずに無言で相変わらず上から見下ろしている。すると、突然その女は反応を示した。

「モ・ウ・イ・イ・デ・ス・・・」

( えっ、なんだって?? もういいですて? )

抑揚のまったくない低い声でその女は応えると、くるっと後ろを向いてさっきやって来た無人の林に向かって、またゆっくりとゆっくりと歩き出した。

「あっ、あ、あの~~? 」

もうその女には何も聞こえないらしい。肩透かしをくらった釣師郎はその女の背中を目で追っていたんだけど、誰もいない暗い林の中にすうっと溶け込むように消えてしまったんだぜ!!

( うぅんんんん、物理的にありえない!! 夢か?? )

隣りで寝ていた笠尾は、もう恐怖でカブトムシの幼虫みたいに丸まって固まっていた。

「オ、オレはなにも見ていない・・・」



夏の夜明けは早い。4時過ぎには陽は登っている。釣師郎はすべてのテントを見まわったんだ。わずか2時間前のあの女がこのキャンプ場に実在しているのかとね。キャンプ場以外からの侵入は考えられない。一番近い町までは一山向こうまで車じゃなけりゃ行けない。昨夜のあれ以降自動車の音はしなかった。

キャンプ場は昨日のバカ騒ぎが嘘のように静かであり、どのテントもまだ寝ていた。入口の開いているテントばかりで、釣師郎は一つずつ中を覗いていたが白いエナメルのサンダルすら見つけることはできなかったんだ。

( ?????? )

この瞬間が釣師郎は一番怖かったね。真夏のキャンプ場の暑い中、恐怖でかく汗も冷や「汗」って言うんだね。



幽霊って、足が無いとか、白いぼぉっとしたとかの漠然としたモノだと、勝手にイメージしていたけど、必ずしもそうとは限らないみたいだね。釣師郎の見たそれは素足の体毛が見えるくらい鮮明に見えてたよ、目以外はね。青白いのは水銀灯の光か、もしかしたらもともとその女自体が青白かったのかも・・・。

いゃ、この逆の姿がはっきり見えないタイプもずうっと後で経験することになったんだけど、その話は需要があればおいおい投下するよ。

今でも釣師郎はその女の顔をしっかり覚えている。脳裏に焼き付いているのさ。いつかどっかでまた遭ったりして・・・。山中の釣場で遭うのはちょっとカンベンだね。井戸から這い出してくるのもイヤだね。



この話とぜんぜん関係ないがね、先週質問されたよ。

なんで女の幽霊て黒髪のストレートロングなの?て。

それはテレビ局のディレクターが、ベタな貞子のステレオのイメージを使いたいからでしょ。ショートもパーマもいろいろいるよて応えておいたよ。

これ書いてて思い出したが、この実話シリーズをアップしていた10年ぐらい前だったと思うが、関西の某放送局から、この類の企画があるので是非応募してくれないかみたいな趣旨のメールが来ていたが来ていたが、放置しておいた。

あれから30年以上経ったが、今でもあの女には遭っていない。遭いたくねぇがな。





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プロフィール

choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

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