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東名ブラックホークダウン


伊勢の高速道路で自動車が突然故障して停車したところに、後続のトラックが突っ込んで3名が死亡した痛ましい事故の記事を読んだ。

そしたら自分も新兵(学生)時代(30 years ago)に同じような怖い思いをしたことを思い出した。

同じ部隊(ゼミ)の隊員(学生)、名前はもうとっくに忘れてしまったが、取り合えずそいつをYとしておこうか、それに同じ特殊部隊(部活)のNと自分の3人で、Yのブラックホーク(セダ型)に乗ってどこかに行く約束をした。

Yは前日に中古のぼろいセダンに乗って都内を一人で走っていたが、その日は東京では珍しく大雪が降り、道のところどころに雪が積もった。その雪で滑る道路を何とか走って家に帰りついたそうだ。

「きのう、半クラッチしまくりぃぃぃ」とか、出かける当日運転しながら、Yは自分たちにのんきに自慢していた。

用賀かどっかから東名に入ったのだが、なんか結構Yてお調子モンの割には安全運転だなぁと思っていた。しかしそのうちになんか遅くねぇかい? 後ろから車がびゅんびゅん抜いていく。おしゃべりなYが無言で前を凝視しながらハンドル握りしめて走っている。後ろからパンパンとクラクションが鳴らされ、車がすごい勢いで車線変更して抜いていく異常事態。ふと運転席のスピードメーターを除くと、60キロだった。

「遅すぎだ、追突されるぞ」

固まったYはこういった。

「スピードがで、でない・・・」

ガス欠かと一瞬思ったが出発する前にガソリンスタンド行ってきたとかいっていたから、ガス欠ではない。Yはアクセルを床まで踏み込んでいるようで、エンジン音がウワァァァンとめい一杯大きく悲鳴をあげていた。が、スピードは40、30、20,10ととうとうゼロとなって、Yのぼろセダンは東名高速の左車線に停車した。車内は沈黙のどよんとした空気が充満したよ。原因不明のトランスミッション故障による不時着。

後ろからはパッシングやクラクションがけたたましく鳴り、何台もの車が次々避けていく。

「やばい!! 総員降車ゃゃゃっ!!」

て慌てて全員で車の外に出た。そして追突事故を避けるために急いでエンコした車を路側帯に避難させようと、路側帯を見たら・・・

昨日の大雪が積もっていて車が入れない。このときはさすがに顔面から血が引いたよ。逃げ場がない。

アメリカ海兵隊の戦術教書によると、移動中に敵の攻撃を受けた場合は部隊は前進か撤退以外にないそうだ。その場に留まるてのは最悪の選択らしい。別にそういうわけではないが、3人の本能なのか、だれともなく近くの料金所まで車を押そうとなった。

人生で最も怖かった瞬間だった思う。Nもそうだが怖くて後ろを見れなかったといっていた。Yが乗る車を自分とNが高速道路の車線をのろのろ押して進んだ。この間も頻繁に後ろから車がパパパァァァンてクラクション鳴らして横をぶっ飛んでいく。

命からがらどっかの料金所近くの合流までやってきたら、本線に合流する横からの車線の反対側に小さな待避所みたいなスペースがあって、そこはどういう訳か除雪されて雪がなかった。車から降りてきたYと3人で作戦確認をした。

「レンジャー小隊、あそこの窪地に退避する。合図と同時に全力で車を押して飛び込むぞ」

左から右に合流する車たちをやり過ごして、車の流れの切れ目を見計らって叫んだ。

「いけいけいけいけいけぇぇ!!」

3人で車をガチ必死で押したため、車はかなりの勢いで待避所に突っ込んでいって、その先のガードレールに激突しそうになったときに、はっと気が付いた。運転席にだれも乗っていない。慌てたYが走る車に飛び込んで片足ケンケンでブレーキを踏んで、車をギリギリで止めた。これすべて高速道路での話。

どうにか隊員無事に退避に成功した。しかしミッションはまだ残っている。この東名からどうやって車を自宅あるいは修理工場に撤収させるか。当時はケータイなんてドラえもんの道具だったので、Yが近くの料金所まで行って公衆電話から救助求むことになった。

てっきりJAFが来るものと思っていたら1時間くらいしてでかいベンツがやってきた。Yの友達、どっかの私学の医学生で金持ちだそうだ。救助に駆けつけてくれたのはいいのだが、牽引の道具を何も持ってこなかった。どうやってこの故障した車を曳くの?

仕方ないので近くになんか都合の良いロープみたいな物が落ちていないか、探してみたら、これがあったのよ。草むらの中に。10メートルくらいの太いワイヤー。今にして思えばワイヤータイプのガードレールの一部だと思う。しかしフックも何もない、あたり前だが。そのため釣師である自分がベンツとポンコツをクリンチノットで結んだ。まさかこんなところでフィッシング・ノットに助けられるとわ。芸は身を助く。

しかし試練はまだ続く。よくよく考えてみると牽引ロープは長さが決まっているもので、長すぎると別の意味で大変危険なのである。これにこの後の市内移動で気が付くのであった。

修理工場まで移動する準備ができたのでベンツに牽引してもらう。Yは牽引される自分の車の運転席に乗った。自分たちはベンツに乗せてもらった。

大きな交差点を青信号ぎりぎりで通過したら、後ろの方でクラクションがガンガン鳴らされている。なんかあったかと思って後ろを振り向くと恐怖の光景が目に飛び込んできた。

ワイヤーが長すぎるためベンツが交差点をぎりぎり通過して、反対車線の信号が青に変わって信号待ちの車が走り出したその時に、ワイヤーに曳かれたYの乗る車がのろのろと赤信号の交差点に進入してくるのである。Yは一人車の中で悲鳴を上げていたそうだ。高速道路で車押していた時よりもこっちの方がずっと怖かったそうだ。

そんなこんなで修理工場に車を置いてきて、ベンツで最寄りの駅に送ってもらった。後日修理内容を聞いたら、初めての雪道でタイヤが滑るので半クラッチでずっと走っていたので、クラッチ板が擦り切れてつるつるになっていたそうだ。馬鹿だね。雪国の人が聞いたら笑っちゃうよ。

でも3人て高速道路の走行車線上、車押して無事に帰れて本当によかったよ。二度と経験したくないけど。

絶体絶命の緊急事態でない限り車線に出てはいけない。

よくパニックになって助けを呼ぼうと車線を走る人がいるそうだがこれは自殺行為だよ。絶対にやめよう。


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choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

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