スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

レンジャー先輩と近衛兵中尉だった上司の思い出

元祖・釣技旅団突撃隊のサロン・デ・トロていう読み物シリーズ
この中の釣師朗の先輩の思い出話。

震災での大活躍なのか、最近自A隊のドキュメンタリー番組をよく目にするが、その中で過酷なレンジャー訓練課程の番組があってさ、最終日の訓練生が寝静まった深夜に最後の卒業試験があるのよ。
教官が絶叫するのね。それ見ていたら、これ本当なんだよとふと思った話。


トロ代;
今年も相変わらず暑い日ばかりだったけど、最近涼しくなってきたわね。 でも、猛暑だとその年の紅葉はあんまり綺麗じゃないみたいね。

トロ太;
今日は11月の10日でしょ。 そろそろ茨城の袋田の滝の紅葉がちょうど言い頃じゃないですかね? 昔はよく「忍者」乗って行ってましたよ。

トロ代;
やっと秋になった感じだけど、今年はイナダがあたりだったようね。 アンタ行ってきたんでしょ?

トロ太;
えぇ、行ってきましたよ。 ホントは秋の外房ヒラマサ、て行きたかったんですが、今年は水温が異常に高いらしく、あんまり釣れていないので、時間潰しに浦安の船宿から東京湾のイナダ、東京湾て言っても、もうホントに羽田沖とか、浦安沖てな感じで、船から自宅が見えんじゃねぇか?と思いましたよ。

トロ代;
そう、去年の11月早々には外房のカモシでヒラマサが釣れていたから、今年は水温が下がってベイトが三陸沖から南下して来るのが遅いのよ。

トロ太;
何か最近異常気象なのか、そう言うの多いですよね。 去年の禁漁直前に一緒に行った芦ノ湖だって、ボートの上は完全に晩秋なのに、水の中はまだ夏の終わりて感じでしたものね。

トロ代;
ホラ、よく言う「娑婆は秋でも水の中はまだ夏」て言うやつよ。 あたしたちは、太陽暦で生活しているけれど、魚は「水温暦」で生活しているのよ。 11月1日になったら、芦ノ湖のレインボーが一斉に衣替えなんてしないでしょ!?

トロ太;
なるほど、そりゃそうですね。 この前、雑誌で本栖湖特集てのやっていましたが、17℃・14℃・7℃が釣れ出す温度てなようなことが書いてましたけど、これなんて水温暦の世界なんでしょうね?

トロ代;
芦ノ湖だと、解禁した直後の冷たい水が、8℃になると活性がグッと上がって釣れ出すて言うものよね。 でも、もう少し詳しく言うと、現実的には10℃と言われているそうよ。

トロ太;
ほぉ? してその心は?

トロ代;
アンタ何言ってのよ? 変な時代劇ビデオでも見たんじゃないの? 

トロ太;
いえいえ、冗談ですよ。

トロ代;
普通水温を釣り場で測定する場合て、ボートや桟橋の上からちょろっと測るぐらいでしょ。 つまり、表層水温を計っているわけよ。 で、肝心のお魚様はもうちょっと深いところにいるわけでしょ?

トロ太;
おぉ・・、なるほど。 つまり、表層がベスト水温8℃と言っても、その下は水温の比重で7℃とか5℃かのもっと低い水温の層があるわけですね。

トロ代;
そう言うことよ。 お魚様はそこにいるのよ。 だからまだ活性が高くないのよ。

トロ太;
じゃあ、だから余裕を見て10℃と言われているわけですね?

トロ代;
まぁ、簡単に言うとそんなとこよね。 でも、表層温度が8℃て言うのは、まだ早過ぎるて一概に断定できないから面白いのよ。 そのキーワードが「風」なのよ。

トロ太;
へ? 風邪ひいていると何かいいことあるんですか?

トロ代;
?? その風邪じゃないわよ! WINDの風よ。

トロ太;
つまり、風が吹くと桶屋が・・・てヤツですか?

トロ代;
あんたホントにボケかましているわよね。 いい? 風が強く吹くと水温8℃の表層が波立ち掻き回されて、その下の冷たい水温層に8℃の層が混じって、水温が上昇しやすくなるのよ。 この時期のこのわずかな水温上昇は、魚の活性度への影響は大きいのよ。

トロ太;
なるほど、魚にとっては小春日和のコンディションになっているわけですね。

トロ代;
そう言うことね。 で、それが行きすぎると湖の水温層ががばぁっと入れ替わる「ターンオーバー」が始まり、魚が縦に散らばるとか、あとは酸素の少ない深い底に沈んでいた層が上に浮いて混ざるため、活性ががくっと落ちて釣れづらくなるのよね。

トロ太;
そのターンオーバーてのはよく耳にしますが、それが何故起きるのかは今の説明で分りましたが、今それが起きているのを知るにはどうしたらいいんでしょうか?

トロ代;
あたしも学者じゃないからよく判らないけど、あるバスプロの話によると、スクリューの泡がいつもより消えないで水面に長く伸びている時は、ターンオーバーが起きている可能性が高いんですって。

トロ太;
へぇぇ、今度注意して見てみよっと。

トロ代;
前見ていないとぶつかるよ。

トロ太;
さて、話しが代わりますけど、この前話題に上ったリョービ製品のことなんですけど、やっぱりあっちこっちで、叩き売り入っていますよ。

トロ代;
そうなの? 

トロ太;
ボクの会社の人なんですけど、8割だったか9割引で、カーボンのヘラ竿2本、今すぐ使うわけじゃないけど早速ゲットしたそうですよ。 定価10万円以上のブツを1万円ちょっとで買えたって喜んでいたですよ。

トロ代;
その人正解よ。 私も小金があれば・・・、サファリか、あの魚探は欲しい。 あたしはどうやら山之内豊一の奥さん、内助の功には程遠い性格なのよね。 

トロ太;
いざって時に貯金があるか無いかはデカイ問題ですよね。

トロ代;
あんた男の癖にコンパクトにまとまってんじゃないわよ! 男はもっとサバイバルじゃないと大成しないわよ。

トロ太;
・・・、サバイバルで思い出しましたよ、トロ代先輩!

トロ代;
何よ急に。 

トロ太;
実はボクの釣りの先輩に、独身のトロ代先輩がお好みのサバイバルな釣師がいたんですよ、いま思い出しました。

トロ代;
あれ? そんな人いたかしら・・・。

トロ太;
いや、トロ代先輩は知らないですよ。 うちの釣り部のS先輩は知ってますよね? そのSさんの元族仲間の友達なんですよ。 一時期よく卒業したS先輩と一緒にボクら学生の釣り合宿に参加していたんですよ。 そのころトロ代先輩は、旅行会社に就職してOLやっていたから知らなくて当然ですよ。

トロ代;
な、何それ!? 今初めて聞いたわよ。 その人なんて言う名前なの?

トロ太;
いっやぁぁ、もう大昔のことだから本名は覚えていないですよ。 てもたしかレンジャーさんとか、レンジャー先輩て言っていたような記憶があります。

トロ代;
ど、どう言う人なの? コンバット・ゲーマーとか、ミリタリーおたくの人?

トロ太;
とんでもないですよ。 本チャンの軍人ですよ。

トロ代;
え!? 

トロ太;
そう、自A隊のレンジャー部隊にいた元自A隊員です。 S先輩はそう言ってボクたちにそのレンジャー先輩を紹介したんですよ。

トロ代;
レンジャー部隊て、あのよくアメリカ映画に出てくるグリーンベレーとかSASて言う特殊部隊の日本板でしょ?

トロ太;
そう言うことですね。 でもボクたち後輩は、S先輩のことだから、ボク達をビビらせるためのフカシだと思っていたんですよ。 でも・・・。

トロ代;
でも、違った・・・でしょ?

トロ太;
レンジャー先輩とたしか初めて釣りに行ったのは、晩秋の河口湖だったと思います。 もう完全に朝晩寒い中、レンジャー先輩は前日の夜から駐車場に、一人でテントを張ってボク達を待っていました。 同行したS先輩に言わせると、自A隊を除隊したレンジャー先輩は、次の就職までの一ヶ月間釣り三昧をすることになっていると言ってました。

トロ代;
結構な釣りキチみたいね、そのレンジャーさんて。

トロ太;
で、ボクはその初めて会ったレンジャー先輩と、偶然一緒のボートに乗ってバス釣りをしたんです。 当時はエレキなんて気安く買える代物じゃなかったので、手こぎのボートでした。 レンジャー先輩の第一印象は、いつもニコニコした優しそうな顔をした小柄な人でした。 もちろん小柄って言ったって170はありましたよ。 ただ、レンジャー隊員て言うから、グリンベレーの兵隊みたいにチョーごつい大男のイメージがあったんですが、全然そんな感じがしなかったし、あぁこれはSさんのハッタリだとすぐに思いました。 

トロ代;
ふうんん・・・。

トロ太;
レンジャー先輩がボートを漕いでくれたんですが、ボクは途中でふと気づいたんですよ。 メチャクチャ早い、この人はて。 ボクの先輩でバスフィッシングを教えてくれた箱根のY先輩は、芦ノ湖のボート屋でアルバイトをやっていた手前、ボート・テクが上手で自分で「芦ノ湖のミズスマシ」なんて言っていましたが、レンジャー先輩は「人間船外機」て言った方がぴったりのバカ力で、ぐいぐい進んでいくんです。 いったいどこにこんな力があるんだろうて思いました。

トロ代;
人間船外機・・・。

トロ太;
そん時はあんまり釣れなかったと覚えていますが、そのボートの上でレンジャー先輩が、ボソッと言った独り言が強烈でしたよ。

トロ代;
レンジャーさんは何て言ったの?

トロ太;
「あん時は辛かったなぁぁ・・・。 冬の河口湖で銃担がされて立ち泳ぎで渡らされた時は・・・。」

トロ代;
マ、マジィィ??

トロ太;
そうなんですよ。 もちろんこれが最初からボクを騙すための演技だったら、大した役者なんですけど、この後にもっともっとスゴイ体験をボクたちにさしてくれたんですよ、このレンジャー先輩は。

トロ代;
スゴイじゃない。 その元レンジャー隊員だった話してホントだと思っているんでしょ? トロ太クンは。

トロ太;
ええ、もちろんですよ。 例えば着替えの時見たんですけど、顔はさっき言ったように優さ男風なんですけど、首から下は筋肉モリモリのマッチョ体型なんですよ。 

トロ代;
トロ太クンたちを騙すために、ボティービルやって来たとは思えないわよね。

トロ太;
鹿留にキャンプ&ルアーの合宿を夏に実行したんですよ。 その時もレンジャー先輩は参加したんです。 レンジャー先輩が運転する車の助手席に乗って、大きな駐車場から出ようとした時、出入り口に3メートルもある木製の埒(らち)が置かれてあって出れなかったんです。

トロ代;
埒て、あの木枠でてきた三角柱を横にした障害物、バリケードみたいなヤツでしょ?

トロ太;
そう、あのデッカイやつですよ。 そしたら運転しているレンジャー先輩が「おまえ、ちょっと悪いけど、あれどかして来て。」て言われたんですよ。 で、ボクは助手席から走ってその埒を動かそうと、全身の力を込めて動かそうとししましたが、埒はびくともしないですよ。 

トロ代;
そりゃそうよね。 あれって100キロ近くあるんじゃないの?

トロ太;
でしょう!? そしたら何時の間にかレンジャー先輩が走り寄って来て、「何やってんだ。 さっさと動かしちゃえよ。」と言って、ボクがびくともしなかった埒を、ボクごとガガガッーと引きずってどかしてしまったんですよ、簡単にですよ。 人間ブルドーザーかと思いました。

トロ代;
人間ブルドーザー・・・。

トロ太;
ちょっと、話が前後しますけれど、その当時ちょうど東京湾のシーバスが流行り出した時だったんですよ。 だから、急増した釣り人が深夜にいろんな施設や立ち入禁止の地区まで入り込んだりしたんで、管理者が金網や有刺鉄線を張ったり、コンクリートの足場に重油を塗って滑りやすくして入れない様にしたんですよ。

トロ代;
そんな時期があったんだ?

トロ太;
でも、レンジャー先輩は上手でしたよ。 金網越えたり有刺鉄線を掻い潜ったりするのは、さすが元本職、プロの仕事でしたよ。 普通のアングラーじゃ入れないポイントも、楽々入って行ってしまっていましたよ。

トロ代;
言われてみりゃ、税金でそう言う訓練された人たちだもんね。

トロ太;
そして、これがボクたちの最大の思い出ですよ。

トロ代;
いよいよ、クライマックスね。

トロ太;
鹿留のキャンプ場に泊まったボクたちは、参加してくれたレンジャー先輩も誘って花火大会を計画しました。 昼間の内に街でボクたちはたくさんの花火を買い集めました。 線香花火から、ロケット花火や打ち上げ花火、ネズミ花火といろいろ買い集めました。
その夜は今でもしっかり覚えています。 雲一つ無く万天の星がまばゆいばかりでした。 花火大会の準備を終えたボクたち学生数人は、林に囲まれた静かな広場でその東京じゃ絶対に見られない美しい夜空に見入っていました。 予定時間までまだ少し時間があったからです。 今思えば、さっきまで側にいたレンジャー先輩が、その時見当たらなかったことに、ボクたちはすばやく気づくべきだったんです。

トロ代;
それはどう言うことなの?

トロ太;
「テキシュュュュ!!!」 の絶叫が突如山の静寂を破り、広場に轟いたんですよ!

トロ代;
て、て、敵襲て??

トロ太;
レンジャー先輩です。 と、同時に林の中から、真っ白い火の玉がシュパーン、シュパーンと速射砲の如くボクたちに向かって、何発も飛んで来たんです。 火の玉が幾つも飛び交う戦場と化したのです。

トロ代;
ま、ま、まさに敵襲じゃないの!?

トロ太;
昼間買った5連発打ち上げ花火を両手に持って水平射撃して来たんですよ、そのランボーじゃなかった、レンジャー先輩は。 突然の敵襲でボク達はパニックになりました。 その場から逃げ出そうと走り出した4年生の先輩が、ボクにぶつかり僕は地面に転がりました。 その先輩はボクを弾き飛ばして、たった今ボクが立っていた所に立ちすくみました。 その瞬間、ボクを突き飛ばした先輩の腹に、火の玉が命中し、「ぎゃぁぁぁ!!」と言う断末魔の叫びとともに砕け散り、その先輩は戦死しました。 その先輩は昔から釣りでもマージャンでもヒキ(運)の弱い先輩でしたが、戦場でも真っ先に戦死するタイプだと改めて痛感しました。

トロ代;
お気の毒に・・・。

トロ太;
レンジャー先輩は、暗視ゴーグルでも着けているんじゃないかてくらい正確に、広場を逃げ回るボク達に第2弾、第3弾の火の玉射撃をしかけてきました。 時折林の中からレンジャー先輩の「は、は、ははは・・・。」という笑い声が聞こえていたのが、プレデターに襲われている人間みたいで、すっごく恐ろしかったのを覚えています。

トロ代;
アンタはどうしていたの?

トロ太;
ボクですか? 弾き飛ばされたまま転がりながら遮蔽物の裏に退避しましたよ。 戦場はパニックになった者から狙われていくことを知りました。 それは、群れから飛び出したイワシから食われていく魚の世界と同じですよ。

トロ代;
よくわかんないけど、レンジャーさんとはその後付合いあったの?

トロ太;
いや、これが最後に会ったのだと思います。 嵐の様に現れて嵐のように去っていった人でしたよ、実際に。 その後どうされているかはまったく知りません。 もしかしたら、今ごろは釣竿と銃を担いでフランス外人部隊あたりで傭兵やってしているかも知れませんね。 あの人だったらやりかねませんよ。 生きていたら今40才ぐらいだと思います。

トロ代;
釣りは上手だったの?

トロ太;
上手て言うより、能力がずば抜けていましたよ。 レンジャー訓練で鍛え上げられた鬼のような体力とばか力、不屈の精神力が、何をやってもこなしていく実力ありましたよ。 例えば、キャスティングなんてボクたちの2倍近い距離で、正確にポイントに打ち込めるだけの腕力があったし、シーバスの陸っぱりでは金網であろうと鉄条網であろうと、簡単にクリアーして行っちゃうし、一日中集中力が途切れることなく釣りをしていましたよ。 なんたって、訓練中は二日、三日徹夜の行軍なんてざらだったから、半日の釣りなんて楽勝なんですって。

トロ代;
トロ太クン、これで決まりね。 21世紀はターミネーターな釣師を目指して、オフシーズンはレンジャー体験入隊ね。 でも、生きて帰って来れるかしら?

トロ太;
遠慮しときますよ。



--------------------------------------------------------------------------------





楽しんでいただけたでしょうか?

レンジャー先輩の話は本当の話ですよ。

釣師郎たち学生の後輩を驚かそうとしたレンジャー先輩が考え出した悪戯かとその時は思っていましたが、その後テレビやその手の本で陸自のレンジャー訓練の内容を知って、あれはレンジャー先輩の思い付きの悪戯ではなくて、本物の訓練内容の一つだったことを知りました。 (もちろんそれを真似たという意味ですが。)

それは連日の過酷な訓練でヘトヘトになって爆睡しているレンジャー訓練生の寝込みを、教官たちが突如襲撃してその対敵襲の即応能力を高めるといった傷口に塩を塗られるような訓練です。

釣師郎たち大学釣り同好会のメンバーたちは訓練生として、教官であるレンジャー先輩によって知らぬうちに陸自仕込みのレンジャー課程を受けさせられてしまったのです。

本物の陸自ですと訓練課程の修了者には、一般隊員垂涎のレンジャーのダイヤモンド・バッチがもらえますが、釣師郎たちは未だに教官から貰っていません。 どこかレプリカのバッチでも売っていないでしょうか? 愛用のカモハットに付けたいものです。

しかし当時はとんでもない酷い先輩だと思っていましたが、レイクトローラーと成った今にして思えば、本当にいい先輩だったと感謝しています。

なぜならば、徹夜運転のおかげでスロットルを握りながら爆睡していても、わずかにGiと鳴った瞬間、それが頭の中で教官の「敵襲ぅぅぅっ!!」の絶叫が響き渡り、瞬時に飛び起き小銃(ロッド)を両手でしっかり持ち、トリガー(スタードラグ)に指が掛かり、腰は低く視線はライン遠方を射すくめる即応姿勢が、おかげさまで無意識にとれる体になりました。

教官、ありがとうございました。 (BGM:愛と青春の旅立ち)


*

さて話はぜんぜん変わりますが、釣師郎の知り合いには90式戦車に乗っていた隊員やカンボジアにトラック部隊として派遣された隊員や通信の隊員がいましたが、残念ながら空挺部隊の隊員はいませんでした。

彼らは習志野に駐屯する陸自の精鋭部隊ですが、実は釣師郎がかつて勤務していた会社の老社長と習志野基地の前を会社の営業者で通った時、「わしは昔ここに居たんじゃ…」とこぼしました。

聞けば戦時中陸軍中尉(しかも職業軍人)として帝都防衛に我が命を差し出す決死の覚悟で軍務に就いていたそうです。

この社長は数年前に鬼籍に入られましたが、社長によくしてもらった釣師郎には二つの強烈な印象(思い出)があります。

一つはある時会社の事務所でニコニコしながら釣師郎を呼んでいるので行ってみると、自宅の大掃除をしていたら出征時の懐かしい写真が出てきたので見せて上げるとのことでした。

セピア色の古い写真には将校の軍服を来た青年の社長が写っていましたが、写真の入っている小さな紙袋の中に何かガサガサした物がいくつか入っていたので見てみると、短く切られた指の爪がたくさん入っていました。

「何ですか、この爪は?」と訊くと、「生きて帰れるとは思っていなかったので、遺品として写真と爪を切って残して出征したんじゃよ。 当時は残せるものてそんなもんしか無かったんだ。」と言われたました。

もう一つの思いでは、会社帰りに社長と二人で近くの焼き鳥屋のカウンターに座ってテレビのニュースを見ていたら、自民党の超大物代議士が講演中に最前列から右翼のテロリストに拳銃で撃たれたが当たらず無事だったと、その襲撃の模様を放送していました。

それをじっと見ていた社長がぼそっとつぶやいたのを、釣師郎は聞き漏らしませんでした。

「下手くそめ、ワシだったらあの距離では絶対に外さん…。」

ついでにもう一つ思い出しました。 70過ぎた社長がある時から頻繁にこっそり出かけだしたので訊いてみると、どうやら自動車学校に通っているようでした。

「自動車免許持っていないんですか?」と訊くと、「バカモン、車の運転は兵士がするものであって将校は運転しないもんじゃ。 …しかしそれじゃもう今はダメだと思ったんで通っておる。」と照れ笑いしていました。

でもさすが元将校、免許取ってから直ぐにぶつけていました。 やはり将校は運転が苦手のようです。


*

空挺の話のついでに、この空挺部隊の訓練模様を紹介した番組がむかしNHKに有りました。

人間の高所恐怖症は先天的なものか後天的なものかを調べる番組でしたが、そもそも人間が恐怖を感じる高さは何メートルかの疑問に、この訓練が紹介されたのです。

空挺部隊にもレンジャー部隊に負けず劣らずの過酷な必須の訓練課程があります。 それはパラシュート降下訓練です。 この課程を修了しないと空挺の隊員にはなれません。

その初級訓練に番組レポーターの若くて綺麗なお姉さんが体験入隊するわけですね。 素人が。 番組プロデューサーはサドかと思いましたよ。

ちょうど人間が恐怖を感じる高さである11メートルのやぐらの上から、今で言うところのバンジージャンプをするのです。 バンジージャンプなんてドMなアクティビティは、当時の日本にはもちろん名前すら存在していませんでした。

教官が「降下ぁぁぁっ!!」と大声で命令するのですが、お姉さんは恐怖で腰が抜けて涙どろどろになって固まっていました。

何度か命令しても飛び降りないので、教官が後ろか突き飛ばして降下させました。 お姉さんは絶叫して堕ちていきました。 11メートルと言うとだいたい三階建ての屋根から飛び降りることと同じです。

将来徴兵されて、「貴様、レンジャーか空挺か!?」と上官に選択させられたら、やっぱ自分はレンジャーだけど、教官だったら空挺かなぁなんて妄想しながら番組を見ていました。



スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

最新記事
プロフィール

choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

カテゴリ
カウンター
リンク
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
趣味・実用
7163位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
釣り・フィッシング
846位
アクセスランキングを見る>>
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。