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支笏湖の魚紳さん

元祖・釣技旅団突撃隊のサロン・デ・トロていう読み物シリーズ
の中で、最も人気があった、神秘とロマンの北の大湖"支笏湖"のお話・後編




トロ代;
この前は無事に終電に間に合ったの? あたしは結局間に合わなくて、横浜の自宅までタクシーになっちゃったわよ。

トロ太;
ボクは、何とか間に合いましたよ。 でも、せっかくこれから支笏湖の巨大魚の核心に迫ろうとしていたのに、終電じゃ参っちゃいますよね。

トロ代;
でもこの時代に巨大魚なんて、やっぱどこかで信じられないわよね。 まして支笏湖なんて札幌から車で1時間もしないところにあるわけでしょ? 

トロ太;
時間で言えばね。 でもその番組の中でインタビューを受けていた遊覧船の船長は、遊覧船の大きさの魚は無理にしても、ここが重要なんですけど、2メートルぐらいの魚は何度か見ているとハッキリ言っているんですよね。 トロ代先輩、淡水魚で2メートルの魚って、見たことありますか?

トロ代;
言われてみれば、コイでもアオウオでもあたしは見たことないわよね・・・。

トロ太;
そうでしょ? 普通はそうですよ。 2メートルを超える淡水魚て、北海道だとイトウぐらいですが、2メートル級なんて北海道でも出たなんてここ何年聞いたこと無いですよ。

トロ代;
この前の話だと、支笏湖ではイトウの線は無いんでしょ? 

トロ太;
無いですね。 だからボクはコイじゃないかと思ったんですよ。 支笏湖にはコイはいますからね。 次が北海道特有のアメマス。 これが80から90センチには成長すると言われていますが・・・、どうなんでしょうね。 逆に言うと水槽ではそこまで。 あるいは発見されたものがそこまでという意味かもしれませんし。

トロ代;
アフリカ辺りにいる陸ガメの年齢は、100年とか200年とか言われているけど、誰も見届けたことが無いから、本当のところはカメにしか判らないんだって。

トロ太;
親子3代で観察しないと判らない。 実に壮大な観察ですね。でね、話は戻りますけど、だからボクは最初はコイ説を採ったんですよ。

トロ代;
あっ、目撃談のしっかりある巨大魚のサイズを2メートル以下に限定しての話でしょ?

トロ太;
そうです。 

トロ代;
じゃあ、パンフライで支笏湖で2メートルのコイが、「フライ・DE・コイ」できるわけだ!? 4番、5番のロッドじゃ上げられないわね。

トロ太;
と、こ、ろ、が。 ボクのコイ説はあっさり「魚紳さん」に否定されたんですよ。

トロ代;
やっとこの前の話の終わりにあった「魚紳さん」に辿り着いたわね。

トロ太;
その魚紳さんそっくりの釣師にあったのが、この前釣り日誌をみて確かめたら、97年の6月なんですよ。

トロ代;
なに? トロ太クン、日記なんか付けているの?

トロ太;
普通の日記は三日と続いたこと無いんですけど、釣りの日記だけはもう10年近く続いていますよ。 

トロ代;
その魚紳さんてどんなヒトなの?

トロ太;
いや、その前に支笏湖の秘密の話をしないと、その魚深さんの言っていることや彼独特の釣り方の意味が理解できないと思います。

トロ代;
そんなに難しい話なの?

トロ太;
彼はマジで現実的な巨大魚を追っかけていましたからね。 トロ代先輩は支笏湖で最近釣られたマスは何センチが最大だと思いますか?

トロ代;
えっ? そうね…、75センチ80センチぐらいかしら。 芦ノ湖の解禁当初で釣られるトップクラスってそれぐらいてじょ? だからそれよりちょっと大きいくらいかしら。 

トロ太;
92センチ6.5キロ。 もちろんボクは写真でしか見ていないのでよく判らないけど、ニジマスに普通ある体の虹の模様は付いていなかったそうです。 それに体型があまりにもズングリだから釣れた時に、釣った本人はこれはなんて言う魚か判らなかったと言うのも無理は無いと思います。

トロ代;
90センチ以上てスッゴイわよね。

トロ太;
そうですよ。 芦ノ湖で80センチであろうと90センチが釣れようとも、それは先月までどっかの養殖場の池を泳いでいた可能性が高いけど、支笏湖は放流はしていないから、100パーセント天然、つまり野生のニジですよ。 それもメーターに近いね。

トロ代;
それって、いつごろ釣れたの?

トロ太;
99年の3月。 しかも、岸からのルアー釣りです。 ほらね、デカイのはこちらで言うところの禁漁期でしょ。 こっちじゃ、釣りたくても禁漁期で釣れないですよ。 支笏湖はヒメマスを除いて禁漁解禁一切無し。 監視員も今だ一度も見たこと無いですしね。

トロ代;
岸からでも現実にメーターに近いのが現実に釣れているから、広大な沖に行けばと言うことでしょ?

トロ太;
巨大魚とは言わないけど、支笏湖の大物釣りのやり方てどうだか判りますか?

トロ代;
さぁ、トローリングかしら?

トロ太;
トローリングはたぶんまともに試されていない処女地帯だと思います。 近くの釣具店の副店長がよく支笏湖に行っていたんで教えてもらったことがあるんです。

トロ代;
つまリ…。

トロ太;
つまり、夜釣りです。 そのヒトはお店が7時に閉まるんですが、それから車で支笏湖のポロピナイに車を飛ばしてフライをやるんです。 

トロ代;
真っ暗だとキャストもしづらいでしょうに?

トロ太;
飛距離はあんまり問題じゃないそうです。 8番ぐらいのホワイトウルフを10メートルぐらいキャストしてひたすら真っ暗な中で待つそうです。 それで今まで50、60クラスを何本も釣ったそうですよ。 ボクはこう言うのはあんまり好きになれませんがね。

トロ代;
芦ノ湖も河口湖も今じゃ夜釣り禁止だもんね…。

トロ太;
ボクも似たような経験がありますよ。 

トロ代;
どんな?

トロ太;
美笛キャンプ場の浜で、日没直後もしぶとく真っ暗になりつつある中、一人でフライをしていたら、暗いんで手元がすっぽ抜けて、フライが5、6メートル先にボテと落ちたんですよ。 したら一発で尺のニジがヒットしましたよ。

トロ代;
以外に近い時てあるわよね。

トロ太;
60オーバーの時も完全に日が落ちて真っ暗になりつつある10メートル先のウエットフライでしたしね。 

トロ代;
暗いと近づいて来るのかしら?

トロ太;
ボク思うんですが、大物を釣るためには二つの方法があると思うんです。 魚がこっちに寄って来るのを待つのと、魚がいるところにこっちから出向くに、行きつくんじゃないんでしょうか? 

トロ代;
そうよね、どんな名人でも魚がいないところでは釣れない話よね。 名人は魚がいるところが判るから、限られた一日の中でそこしか狙わないから、高確率で釣れるんでしょ。 でもビキナーはどこにいるか判らないから、最初からいないところで釣りをするから、結果釣れないとなるんでしょうね。

トロ太;
大物になればなるほど、いくつもの修羅場をかい潜って来たコマンドーだから、相当に用心深いですよ。 だから端からヒトのいるポイント、いや時間帯には近づかないはずですよ。

トロ代;
だから、ヒトのいない時間、つまり夜になるんでしょうね。 琵琶湖に50オーバーのバスを専門に狙うクラブがあるそうだけど、活動は夜釣り中心だそうよ。

トロ太;
でも、お大尽か漁師じゃない限り、毎日夜釣りと言うわけにはいかないじゃないですか?

トロ代;
だから?

トロ太;
だから、もう一つの方法、こちらから大物のいるところに出向くわけですよ。

トロ代;
なるほど。 回遊を待つわけね。 じゃあ、岬の先端とか…。

トロ太;
キーワードが岬の先端だけでは、まだまだ釣れないですよ。

トロ代;
じゃあ、何があるのよ?

トロ太;
ここでの前提条件は、船を使わないことで考えますよ。  

トロ代;
ええ、いいわよ。

トロ太;
岬の沖は回遊コースだとしますが、例えばそれが20メートルや30メートルの距離だったらフライで何とか狙えますよね。 じゃあ、40メートルとか50メートルじゃフライが届かないですよね。 つまり、釣れないと言うことですよ。 特に大きいのは日中は釣り人の射程距離を知っているのか、30メートル以上の沖を回遊していることが多いですよ。

トロ代;
つまり、支笏湖では船を使わない限り、大物がいるところまで行けないて言うことかしら?

トロ太;
いや、違います。 釣りをする上で支笏湖の場合、回遊コースにもっとも近いところは実は誰でもが思いつく岬じゃないんですよ。 魚紳さんに教えてもらいました。

トロ代;
えっ、そうなの? ねぇ、それはどこなのよ? 教えなさい。

トロ太;
それはね、旧有料道路がぐるりと走っている北側のあるところなんですよ。 ボクは偶然そこで魚紳さんに出くわしたんです。

トロ代;
つまり、魚紳さんはそれを知った上で、そのハニースポットに陣取っていたわけね。

トロ太;
そう言うことですね。 周囲40キロもあるからまだ開拓されていない急接近ポイントがまだあるかもしれませんがね。 例えば南岸のトンネル周辺も怪しいと思いますしね。

トロ代;
でも、旧有料道路側ってバックがゼロみたいなところだからキャストしづらいでしょ?

トロ太;
たしかにそうです。 でもそっちに移動して行ったには訳があるんですよ。

トロ代;
何が?

トロ太;
支笏湖が釣れなくなったからです。 いや、正確に言うと釣れる場所が少なくなったて言うことですよ。 

トロ代;
じゃあ、むかしは釣れたと言うのは?

トロ太;
そうですね、ボクにとっては。 ボクが初めて支笏湖で釣りをしたのは、たしか1990年の6月ごろだったと思います。 

トロ代;
札幌に転勤した年よね?

トロ太;
ええ、そうです。 ウルトラライトのルアーロッドとメップスのスピナーを持って、有名ポイントの美笛キャンプ場の浜に一人で立ちました。 北海道の6月はまだ肌寒くてキャンプ場はおろか、浜にも人っ子一人いなかったです。

トロ代;
へぇ~、貸し切りだったわけだ。 こっちじゃ、脚立や竿立て立てて場所取りしているのにね。

トロ太;
ボクはフライを本格的に始めたのがそう言う北海道だから、芦ノ湖スーパードリームカップに初めて行った時には、ホントにヒトの多さに驚きましたよ。  ここはゴールデンウィーク中のディズニーランドか?てね。 

トロ代;
あたしも何が一番キライかって言ったら、やっぱ混んだ釣り場よねぇ。

トロ太;
それでですねぇ、ボクは誰もいない岸から真っ赤なスピナーを投げたんですよ。 リーリングすると何事も無くスピナーは帰って来ました。 まずこれが一投目です。

トロ代;
じゃあ、ニ投目はどうたったのよ?

トロ太;
ビックリしましたよね~。 赤いメップスの後ろから1メートルぐらいの何かが着いて来ているんですよ。

トロ代;
えっ?? いきなり巨大魚が来たて言うの!?

トロ太;
自分の目を疑いましたよ。 あと10メートルぐらいのところで、そのデカイのがふっと消えちゃったんですよ。 もう心臓バフバフもんですよ。 

トロ代;
で、どうしたのよ?

トロ太;
そりゃ、すぐさま消えた辺りの沖めがけて三投目を繰り出しましたよ。 するとですね…。

トロ代;
すると?

トロ太;
また何かがメップスの後を追いかけて来るんですよ。 こんどは逃げられない様に慎重にリーリングしました。 そしてその巨大魚の正体を見て、またビックリしましたよ。

トロ代;
で、それは何だったのよ?

トロ太;
アメマスの群れです。

トロ代;
群れ・・・??

トロ太;
10センチぐらいの幼魚を先頭に、だんだん大きい魚が後ろに並んだ群れなんですよ。 ピラミッドみたいな…。 一番後ろのデカイので30センチぐらいのアメマスが7、8匹付いているのが見えました。

トロ代;
信じられな~い!!

トロ太;
いや、ホントです。 だから自分の目を疑ったて言ったじゃないですか!? この湖の魚影の濃さにホントに驚きましたよ。 まして釣り場は貸し切り状態ですよ。

トロ代;
天国じゃないの!

トロ太;
そう、釣師にとっては天国です。 いや、天国だったですね。 結局5投目くらいにヒットして35センチぐらいのピンシャンのアメマスが簡単に釣れました。 ちょっと大袈裟かもしれませんが、ボクはアメマスをつかんでいる自分の手に初めて野生を感じましたよ。 

トロ代;
夢みたいな話ね。

トロ太;
次の年の6月ごろの2泊3日の支笏湖一人合宿が、今思えば頂点でしたね。 相変わらず誰もいない美笛キャンプ場の前の浜にテントを張って、土日月とフライ三昧しました。 毎日10匹以上のピンシャンのアメマスを釣りました。 夜はそのうちの型の良いものを選んで、焚き火にかざして焼いて食べましたよ。 土曜の夜、湖岸を見渡すとポツンポツンと灯が対岸に見えるんですよ。 ボクと同じようにこの広い支笏湖でキャンプをしているヒトが数人いたんですよ。 でもですね、日曜の夜、つまり明日は仕事の日の夜、同じように湖岸を見渡したら、なんと一つも灯が見えないんですよ。 つまり、周囲40キロ、人間はボク以外に誰もいないて言うことですよ。

トロ代;
まさに支笏湖貸し切りてことね。

トロ太;
そう言うことですね。 あっ、吹き溜まりの小さなワンドがあって、そには黒色で背中の一部だけがオレンジの昆虫の死骸が、畳で5、6畳の広さで水面にびっしり浮いていたのを見つけました。 試しにその近くで釣ったアメマスの腹を裂いたら、胃の中からその昆虫がびっしり詰まっているのには驚きましたね。

トロ代;
アメマスはその昆虫を食べていたわけね。

トロ太;
そう、だからボクは帰ってからこの昆虫にそっくりなテレストリアルのフライを、下手クソながら一生懸命巻きましたよ。

トロ代;
マッチ・ザ・ハッチね。

トロ太;
でもね、この背中がオレンジのテレストリアルを見たのは、後にも先にもこれが最初で最後だったんですよ。 自然て不思議ですよね?

トロ代;
ふぅんんん。

トロ太;
で、その後ぐらいからでよ、支笏湖の暗黒時代が始まるのが。

トロ代;
え、どうして?

トロ太;
アウトドアブームの到来。 ボクにとっては元寇来襲ぐらいの歴史的事件ですよ。 静かなポイントにカラオケマシーンを積んだRVの大群が押しかけて来たんですよ。 夜は静かに自然を楽しむじゃなくて、発電機を回してテントをライトで昼間の様に明るくして。

トロ代;
一気にブームになったものよねぇ。

トロ太;
特にRVが定番なったせいで、RVとは道無き道、たとえば波打ち際を水しぶきを上げて走らなけれゃ、RVじゃねと誤解している連中がいたりして、もうバックが取り易いポイントはRV軍団の三光作戦で壊滅しましたね。

トロ代;
えっ? サンコウサクセン?

トロ太;
旧日本軍が中国でやった、奪え、焼け、殺せの極悪殲滅作戦ですよ。 さらに追い討ちをかけたのが、あのクソやかましい水上バイクでした。 ボクの「Ninja」よりやかましいから、たぶん100ホンは楽勝で超えているでしょう。

トロ代;
よくわかんないけど、ポイントがめちゃめちゃに荒らされたてことよね?

トロ太;
そう、それでボクは和人に追われるアイヌ人のように、「楽園美笛」から追われたんです。

トロ代;
それでどうしたの?

トロ太;
そこでボクは考えたんですよ、アウトドア軍のRV戦車隊や水上バイク爆撃隊が攻め込んで来れない最後の楽園を。

トロ代;
それが旧有料道路だったわけ?

トロ太;
RVが岸に降りて来られない難所、車が降りられないと当然水上バイクも降ろせないですしね、それとテントを張るスペーが少ない、あるいは景色の悪い所を考えたわけですよ。 そうするともう北側の旧有料道路かなと思ったんです。

トロ代;
旧有料道路てどういう所なの?

トロ太;
支笏湖の北岸を走る観光道路なんですけど、この生い立ちが重要なんですよ。

トロ代;
生い立ち?

トロ太;
そう、この観光道路を建設する時に、環境への影響を少しでも抑えようとして、湖を道路の幅の分埋め立てるか、それとも岸際の山肌を削り取るか、議論されたんです。

トロ代;
で、どっちになったの?

トロ太;
湖を埋め立てる方に決まりました。

トロ代;
あ! だから道路の幅、いや、違うわ…。 その下の基礎分を含む幅分、沖に近づいたわけね!?

トロ太;
そうなんです。 沖のもともと絶好のカケ上がり沿いの回遊コースに、人工的に近づけられた。 しかも、ある地点は回遊コースに急接近しているとも聞いています。

トロ代;
東山湖の桟橋みたいなもんね?

トロ太;
たしかに。 でも、東山と違うところは、バックがほとんど取れない点ですね。 東山だったらビキナーでものびのびとフライキャスティングができますが、支笏湖のそこはそうは行きませんぜ。 自動車見ながらキャスティングするんですよ。

トロ代;
自動車!?

トロ太;
湖岸を埋め立てたと言っても、その幅は最小限に留めているから、高さ3メートルぐらいのコンクリートの垂直な壁の上に道路が走っているんですよ。 ポロピナイ寄りはそれでも数メートルの砂浜が壁の下にあって、まだナンボかバックが取れるんですけど、千歳川寄りのグットなポイントの近くは、壁の真下にテトラポットが少し顔を出しているだけで、釣り人はそのテトラの上からバックを気にしながらフライをするのです。 つまり、自動車が来ていない瞬間を見計らって、バックキャストが背後の道路の上を飛んでいるンですよ。 時々自動車を釣る人がいるみたいですけど。

トロ代;
なるほど…。

トロ太;
あ、それと、そう言う場所だから、車も入って来れないし、ロケーションとしても頭の上を車が走っているため、キャンパーもこんなヘンな所にはテントを張らないので、釣り人だけが入って来る最後の楽園となったわけです。 あとは、我が物顔で走りまわっている大騒音の水上バイクを、千歳市が支笏湖から締め出してくれたら最高ですね。

トロ代;
じゃあ、トロ太クンも後ろを走る自動車を見ながら、キャスティングしていたの?

トロ太;
ええ、だから疲れるしあんまり飛ばないですよ。 普通は斜め前にキャストしてしまいますね。 でも目の前が回遊コースだから15メートルも飛んでくれれば釣れちゃうンですよ。

トロ代;
へぇ~…。

トロ太;
でも、やっぱり後ろの壁の上のガードレールを軽くやり過ごして、バシュっと美しいループを目の前の美しい支笏湖に放ちたいと思うのが、釣師の心境でしょう。 そこでボクは考えたんですよ。 そして新しい竿を買ってしまったんですよ。

トロ代;
まさか?

トロ太;
そう、ダブルハンドをね。 レビューのRX1278。 12ft の#7・#8用ですよ。

トロ代;
また、ずいぶんマニアックなロッド買ったわね?

トロ太;
えぇ、策士、策に溺れるでしたね。 ダブルハンドの最初に買う一本は#10ですよ。 これでダフルハンドのコツを覚えて、自分の考えで番手を上か下へと振っていくもんでしたね。 一番最初のダブルがこんなマニアックなのは、正直使えこなせなかったですね。 RX1278はスローな調子なんで、日ごろミディアムファーストのロッドを使っているボクとしては、どうしても調子がつかめなかったですね。 だから、東京に転勤してから13ft の#10に買い直しましたよ。 またしても散財しちゃいましたよ。

トロ代;
で、そのRXはどうしたの?

トロ太;
え? 今はお蔵入りだけど、実は考えているんですよ、新たな使い道を。

トロ代;
何それ?

トロ太;
芦ノ湖解禁当初のハーリング専用ロッド。 結構行けそうな気がするんですよ。

トロ代;
はは、なるほど、意外と行けるかもね。 ハーリングて釣れる時て、結構たくさん釣れるものね。 レッドコアのトローリングと違って、表層の短い距離で釣れるから、引きも十分楽しめるしね。

トロ太;
あれ、大分話がそれちゃったみたいですが…。

トロ代;
あ、そうよね。 で、魚紳さんの話はどうなったのよ。

トロ太;
そうそう、それでボクはある年の6月早朝に、ポロピナイ寄りの旧有料道路の横の空き地に車を停めて、9ft#8を担いでガードレール沿いを千歳川方面に向かって歩いて行きました。

トロ代;
うん、うん。

トロ太;
砂浜のバックが取れるところには何人かフライマンがいましたが、道路の上から見ているとカケ上がりは相当沖目に見受けられて、空しい努力にしか見えなかったので、さらにどんどん歩いて行きました。 すると、砂浜が無くなりかけ、そこから先はテトラが続くエリアトとなりました。 そんなややこしい所を歩いているヒトはボクしかいませんでしたけどね、テトラ沿いにウェーディングしながら進むんです。 テトラの隙間にはウグイの大群が潜んでいたのを今でもよく覚えていますよ。

トロ代;
それで?

トロ太;
バックキャストを何とかガードレールの上をやり過ごしたり、やり過ごせないポイントは斜めにキャストして、チマチマ釣り進みました。 30センチ弱のアメマスとニジマスが釣れましたよ。 特に天然のニジマスの引きは最高でしたね。 同じ「Ninja」でも国内仕様の101と欧州向けフルパワー仕様の401ぐらい違っていますよ。 で、ホントかどうか知りませんが、旧有料道路側の所々には湖底から温泉が涌いているので、水温が上がりやすくシーズン初めは特に好成績と言われています。

トロ代;
釣りづらいポイントだけど、実績の出るポイントなんだ…。

トロ太;
そうですね、それでどんどん釣り進んで行ったんですよ、テトラの際をウェーディングしながら。 するとある所である釣り人が上の道路のガードレールのところに立っており、沖をじっと見ているんですよ。

トロ代;
それが魚紳さんだったてわけね?

トロ太;
そうです。 彼はホント魚紳さんみたいな格好していましたね。 キャップにサングラス、フィッシングベストにチェック柄のシャツ。 さすがに背中には「祈願 日本一周釣行脚」とは書いていませんでしたがね。

トロ代;
で、彼は何をしていたわけ?

トロ太;
ガードレール越しに投竿を一本立て掛けており、そのラインが遥か沖まで伸びていたんですよ。 最初はエサ釣りかと思っていました。 ボクは水際にいるし、彼は上の道路にいるし、僕は彼の仕掛けを持ち上げてもらって、ラインの下を潜って先に行きました。 行ける所まで行ったら、そこはテトラが切れていて、もうウエーディングできる深さじゃなかったですね。 それで来た道を引き返しました。 すると魚紳さんは同じ所で同じ置き竿していましたが、突然ロッドを握り、リールを巻き始めました。  

トロ代;
トロ太クンのちょうど゜目の前で釣れたわけね?

トロ太;
そうです。 ラインがドンドン巻かれていったら、何か透明なウキがあって、その2メートル先ぐらいに尺上のアメマスがくっ付いていましたよ。 それもどうやらエサじゃなくて、ルアーかフライで釣っているようでした。 それでボクは思い切って魚紳さんに下から声を掛けたんです。 そしてテトラから壁をよじ登り道路の上で魚紳さんと初めて話をしたんです。

トロ代;
それで?

トロ太;
彼はボクよりは多少若いヒトでしたが、早速その不思議な仕掛けのことを聞いてみました。 すると彼の仕掛けは、透明のプラスティックのウキが使われており、それは水を入れて飛ばすのに必要な重量を得ているそうで、そのウキから2メートルくらい先糸を付けて、デッカイ「ドライフライ」を結んでいたんですよ。 つまり、簡単に言うと「ドライフライの投げ釣り」ですね。

トロ代;
フライの投げ釣り?

トロ太;
彼が立っている所からちょうど30メートルぐらい沖が、回遊コースのど真ん中だそうです。 そこのポイントめがけてフライを浮かせておくんです。 回遊してくる魚は、上を見ながら回遊してくるので、トップがもっとも確率が高いそうです。 この場合は水深がどんなにあっても魚が上を見ている限り、タナは関係無く回遊コースのど真ん中にフライをキープしていくのがポイントとも言っていましたよ。

トロ代;
バックが迫っているポイントでは、どんなに障害物をやり過ごしても、コンスタントに30メートルキャストするのは、湖特有の強風を考えても困難だわよね。 そうするとこの魚紳さんの投げ釣りは立地に適っているわよね。

トロ太;
魚紳さんは、このタックルで昨日の夕マズメの小1時間で、アメマスを8本釣ったとも言っていました。 上から見ていると群れが回って来るのが見えるそうで、昨日もその群れに当たったので8本釣れたと言っていました。

トロ代;
1時間に8本て言ったら、1本釣るに10分掛かっていないと言うことね…。

トロ太;
そう言う回遊コースに接近しているポイントがまだいくつかあるそうで、この先の覆道の何番と何番の下がやっぱり2、30メートルと急接近しているそうです。

トロ代;
岬じゃなくて、道路の下なんだ。

トロ太;
そう、そしてこの前から続いている「支笏湖の巨大魚を追え」に舞い戻るわけですよ。 

トロ代;
え、どう言うこと?

トロ太;
魚紳さんは昨日8本釣った話の際に、いつものとおり道路の上から回遊コースを監視していたら、また見たそうですよ。 巨大魚を。

トロ代;
また巨大魚て?

トロ太;
どう見ても1メートル50センチ級の魚が、それもツガイで回遊しているのをしっかりと見たんですって!

トロ代;
それって?

トロ太;
そう、だからボクはすかさず聞き返したんですよ。 それはコイじゃないのか?とね。 そしたら、魚紳さんはきっぱりとその場で否定しましたよ。 マスとコイのシルエットの違いぐらいわかります。 あのシルエットは絶対にコイのものじゃありませんよとね。 彼はたぶんアメマスじゃないかと言っていました。 そして「死ぬまでに必ず釣ってやる!」と、静かに決意を漏らしていました。 きっとその魚紳さんは、今でもあのポイントから沖を睨んでいるんでしょうな…。

トロ代;
へぇ~…。 やっぱり支笏湖にはいるのかしらね?? メーター半級が岸から見えるところを回遊しているくらいだから、誰も知らない沖の方なんか2メートル級の巨大魚がいたって不思議じゃないかも…。

トロ太;
だからこの前話したTVの遊覧船の船長は言っていたじゃないですが、2メートルぐらいの魚は何度か見ていると。 だからいるとボクは信じてますよ。

トロ代;
そうなってくるとホントに神秘とロマンの湖になるはね、支笏湖は。

トロ太;
そうですね。 そう思って釣っていた方が楽しいじゃないですか? もしかしたらウルトラモンスター級がオレでも釣れちゃうかもしれないてね。

トロ代;
仮にメーターオーバーのモンスターが釣れたとして、実際そいつの正体て何なのかしらね?

トロ太;
さぁ~?? 何でしょうね。 意外に全く発見されていない種類だったりして。 例えばタキタロウみたいに、岩魚のまだ発見されていない亜種とか。 もしそうだったら、ボクは今から命名しておきますよ。 「蝦夷タキタロウ」てね。

トロ代;
何でも蝦夷を付けりゃ良いってもんじゃないでしょ!?

トロ太;
それと気になるのが、支笏湖でヒメトロじゃなくて、本格的にトローリングしたらどうなんでしょうかね? ボクはなんかとてつもないモノが釣れるような気がしてならないんですよ。 誰もマイボートを持ち込んで1年間なら1年間、データ取りながらレイトロやったヒトて、いないと思いますよ。 誰か地元のヒト、やってくれないかなぁ~?

トロ代;
でもさぁ、よく支笏湖だけでここまで話ができたわよね? よっぽど支笏湖が好きなのね?

トロ太;
ええ、そうでよ。 巨大魚の夢が感じられる美しい支笏湖が、いつまでも自然豊かなままに続いて行ってもらいたいと思っていますよ。 また是非行きたいと思っていますもの。

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choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

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