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お盆企画 ”怯える女”

元祖・釣技旅団突撃隊のお楽しみコンテンツ「本当にあった怖い話」シリーズからのリメイク版だよ。
もうお盆だし、今年もやりますよ、定番の企画ものです。
今回は自分の体験談ではなくて、他人の体験談で体験した怖い話だ。


*****


いやぁ、こんばんは! 怪奇ハンターの釣師郎です。

この前、ある週刊誌に「たか号」遭難事件の生存者の手記が載っていたけど、迫力あるねぇ。 どんなに良く作られた話も実話の迫力にはかなわないね。

「シイラ」が漂流する救命ボートの周りに現れたのを見て、この魚に自分の死体は食べられるのだろうなぁと思った下りなどは、ホント「死の恐怖」に直面した人間しか書けない文章だね。

釣りをしないヒトもこれを読んでいるかもしれないから、ちょっとシイラのことを説明するよ。 

シイラは水死体に付いていることが多いため、漁師は「エンギの悪い魚」として嫌っているヒトが多い。 ただし、シイラの名誉のため弁明するけど、シイラは単に漂流物のカゲに付く習性があるだけであって、好き好んで水死体に付いているわけではない。 付いた漂流物がたまたま水死体だっただけの話である。

創作怪談話や都市伝説は、多くのヒトの口を通るにしたがって話としては磨き上げられていくけど、なんかこう迫力が無いて言うか、ウソくさいて言うか、一本筋が通っていないて言うか、面白くないんだなぁ、これが。

体験談で思い出したけど、釣師郎のむかしのバイク仲間にトラック運転手とフランス料理のシェフがいたんだ。

そいつらとたまたま行きつけのバイク屋でばったり会ったので、ひさしぶりだな、焼肉でも行くか? となって釣師郎たち3人で焼肉屋に行ったんだ。

焼肉を食べながらオタクなバイク談議をしていたところ、しばらくしてトラック運転手が肉を焼いている手をハタと止めて、焼肉をほお張っている釣師郎にこう言いやがった。

「こういう臭いがすんだよなぁ…。」

「え、何がよ?」

「オレさぁ、実は元消防士だったんだよ。 盛り場で酔っ払いとケンカしてクビになっちゃったんだけどぉ。 で、焼死体のある現場てこんな臭いがすんだ。 現場に駆け着けてこの臭いがしてたら間違いなくあんだよ、焼死体が。」

( ヒトが焼肉食っている時に何を言うのや、こいつは…。 )

元消防士の懺悔は続く。

「黒焦げの焼死体もすごいんだけどよぉ、時間の経った水死体もひでぇんだぁ。体が2倍くらいに膨れ上がって、肉なんかブヨブヨよぉ。 そう、こんな感じだぁ。」

元消防士は、釣師郎がこれから食べようとしていたテールスープの中の肉を箸で指差した。

( こ、こ、こいつぅぅぅ、何言うねん。 )

「それでよぉ、ブヨブヨの水死体を水から引き上げんのが大変でよぉ、ヘンなところ持つと、肉が腐ってるからボロっと腕なんかがもげかかったりよぉ、髪の毛なんかもボロボロ抜けるしよぉ、大変なんだぁ。 しかも、そう言うのも1本残らず回収しなけりゃなんねんだ。」

さらに告白は続く。

「で、そう言うのを引き上げるのに、こんなぶっとい帯を使うんだよぉ。 オレたち、それをガチャバンて言っててよぉ、水死体にそうっと巻いて引き上げんだよぉ。 たいへんな仕事でよぉ…。」

シェフが冗談で釣師郎のテールスープの中の肉を、箸袋の紙帯をUの字にして引き上げようとする。

( ちょ、ちょと、止めぇやぁ!! )

酒も入っていたため元消防士は、隊員時代の楽しい(?)話をいくつか勝手にしてくれた。 まるで自分で自分に話し掛けるようにだ。

119番通報で現場に駆け着け浴室に飛び込んだら、床ばかりか天井もカベも一面血の海で、頚動脈と手首を切った自殺死体を片づけた話とか、心臓マッサージを必死で続けていたら老婆の肋骨を折ってしまった話とか、汚物でノドを詰まらせた病人の気道を指で掻き出し確保した話とか…。

釣師郎は正直気持ち悪くなってしまったぞ。 

因みに元消防士に言わせると、男の水死体は「土佐衛門」と呼び、女の水死体は「死美人」と呼ぶそうだ。 そして、女の場合は美人でもブスでも「死美人」と言うそうだ。

どうにか元消防士の回想が終わったと思ったら、なんと今度はシェフが釣師郎たちにこう言い出したんだ。

「オレさぁ、むかし水難のレスキューの手伝いをしたことがあってさぁ。 海女さんの救助、て言っても水死体だったけど、したことがあってさぁ。」

「な、なにぃぃぃ! おまえもかぁ!!」

釣師郎は思わず叫んでしまった。

( こ、こいつら何モン?? )

「海女さんが一人帰って来ないて言うことで、捜索の依頼が来てさぁ、オレたちも駆り出されたんだ。 小さなボートにオレともう一人が乗ってさぁ、言われた場所を捜索しに行ったんだ。」

もう誰も焼肉を食べる気にはなれず、焼き網の上の肉だけがブスブスと黒焦げになっていた。 焼死体の香り…。

「オレはさぁ、もうダメだろうと思っていたんだ、時間的に。 相手はプロだろ? 漂流なんかしてないさ。 だから内心悪いんだけどさぁ、オレたちのボートには当たるなよ、当たるなよと祈っていたんだ。」

「そしたら?」

「そしたら、見つけっちまったんだ!」

釣師郎と元消防士はぐっと息を呑み込む。

「海中にさぁ、白っぽいものがボォォとかすかに見えたのさぁ。 エンジン止めてさぁ、オレ仕方ないから飛び込んだよ、海ん中1人でさぁ。」

「そしたら、やっぱり探している海女さんだったんだよ! 水深15メーターくらいかなぁ、ちょうど真ん中ぐらいの水深のところで、腹を下にくの字になって風船みたいに浮いていたんだ。」

「風船みたいに浮いていたぁ?」   

「あぁ、その海女さんは何の紐か知らないけど、腰から紐が付いていて、その端が海底の岩に絡み付いていたんだ。 だからさぁ、海底の岩が人間風船を持っているみたいにさぁ…。」

絶句…。

「たぶんさぁ、息継ぎで浮上する時、その紐の端が運悪く岩に絡み付いたんだろ。 外そうともがいたけど外れなかった。そして溺れ死んだんだろ、きっとさぁ。」

「で、どうしたのよぉ?」

「え? もちろん紐を夢中で外してさぁ、海面に海女さんの水死体と一緒に浮き上がったさ。 もう1人の奴とボートに引き上げようとしたんだけど、ぜんぜん上がんなくてさぁ。」

「死体て重いからよぉ、簡単に上げらんねぇよ。」

元消防士がご丁寧に説明してくれた。

「そしたらさぁ、ボートの奴がさぁ、助け呼んでくるから待ってろ! て言ってさぁ、ブァーと勝手に行っちゃってさ。」

「ほなぁ、自分一人か?」

「そうさ、いや海女さんと一緒さぁ。」

またもや絶句。

「助けが来るまで15分くらいだったらしいけどさぁ、オレには何時間にも感じてさぁ、水死体を抱いて立ち泳ぎして、こっちが水死体になんないよう必死だったさ。 海はただっ広くて静かでさぁ、死体抱いて一人で浮いてんだぜ。 恐かったよ。」

「でも、助けは直ぐに来たんだろぉ?」

「あぁ、来たさ、大勢がさ。 みんなで遺体を大きなボートに引き上げた。 そしたらさぁ、用済みのオレのことなんか、みんな忘れちゃってよぉ、みんなブォォと帰って行くんだ。 大声で助けを求めたさ、そしたら帰りがけの奴がたまたま気が付いて、オレを引き上げてくれたのさ。 あれ、忘れられたらオレが水死体だったぜ。」

そしてシェフは付け加えた。

「あの時死体を抱いていたこの腕の感触は一生忘れねぇ…。」



* * *


すっごいですねぇ!!

この話だけで一話出来てしまいますなぁ。 

でもこの話はたいへんな救助活動の最前線で働いたヒトたちの活躍話なので、怪奇現象の話とはまったく別物です。

あなたがこれを読んでいる深夜でも、どこかでサイレン鳴らして現場に急行しているヒトたちがきっといるはずです。

さて、たいへん長くなりましたが、本題の「怯える女」に行きましょう。


*****


あれは昭和59年だったかなぁ、大学生の釣師郎が後輩K子の運転する自動車の助手席に乗っていたのは。

自動車は夜の道志街道を東京に向かっていた。 釣師郎はK子と二人で河口湖でブラックバス釣りに行った帰り道であった。

いつもだったら中央高速を利用するのだが、ひどい渋滞に出くわしたので、山中湖を経由して滅多に行かない裏道、道志街道を利用したのだ。 道志街道はくねくねした細い山道であたりはさびしい所だった。

K子は朝6時に釣師郎を迎えに来るはずたったのに、なぜか30分以上も遅刻してやって来た。 

K子は体育会のオンナの子で時間には厳しい人間なのにだ。 K子はあまり寝てない様子で目も赤くはれぼったかった。

釣師郎は、遅刻したことをガミガミ言っても仕方ないと思ったが、それよりもK子の疲れ気味の様子で、今日の釣師郎とのハードな釣行ができるのか心配であった。

( どうせきのうの夜渋谷あたりで遊びまわっていたんだろ…。 )

結局、河口湖での釣果は、初心者のK子に1匹釣らせてあげることができて、なんとか先輩のメンツが守られた結果となった。

そして帰りの暗い山道、釣師郎は1日中しゃべっていたため話すネタが無くなってきた。 釣師郎はもともと沈黙の空間てものが苦手なんで、どうしようかと悩んでしまった。

( あたりは暗い山道、オンナの好きな怪談話しかもう残されてない! )

若かった釣師郎はK子に恐い話をしようと話しかけた。

K子は異常なぐらい拒否した。

しかし、そこは体育会の鉄の上下関係、それにK子の性格を考えると、とても怪談話ぐらいでビビる玉には思えなかったのだ。 つまり、K子は当時流行のブリっていると思えたからだ。

釣師郎は怪談の語りを心得ている。

釣師郎は、スキー場のロッジで海水浴場であった怪談話をするほどド素人ではない。 数あるレパートリーの中から、峠の話や自動車事故、湖の話など、今の状況に似通った珠玉の怪談話を次々にしてみた。

作り話もさも実話のように話した。 当時の釣師郎には「実話・体験談に限る」と言う高尚なポリシーは持ち得ていなかったのである。

K子は何度も悲鳴を上げながら山道を運転した。 釣師郎はK子がこんなに怯えるとは内心意外だった。

釣師郎はこれ以上恐い話を続けると運転を誤って事故でも起こされたら問題なので、適当なところで怪談を終わりにした。

すると叫び疲れたK子が、青白い顔の目で釣師郎をキっと睨んでこう言った。

「釣師郎先輩、先輩はホントに恐い話が大好きなんですね。 じゃあ、私にも一つだけ話させてくれませんか?」

( この怪談マニアの釣師郎にてか…? )

釣師郎は鼻で笑いながら、この生娘に釣師郎を怖がらせるだけの話が出来るか試してやろうと思った。 

「いいよ、やってごらん。」


「わかりました。 でも、そのかわりこの話は絶対誰にもしゃべらないでくださいね。 絶対にですよ。」


そしてK子は語り出したのだ。

しかし、それが身の毛もじゃないよ、身の危険を感じるぐらい恐ろしい話だったのである。


あるところに4人の仲の良い大学生のグループがあったんです。 オトコの子3人とオンナの子1人のグループです。 4人は同じ高校に通っていましたが、大学はそれぞれ違うところに進学しました。

ある時久しぶりにみんなで集まったんです。 

するとあるオトコの子、仮にAクンとしましょう、Aがぼそっとこう言ったんです。

「オレさぁ、この前あるところに一人で旅行に行ったんだけど、帰ってからずうっと左の肩がこって仕方ないんだよ。」

その時はみんな気にもせずいました。 集まりが終わりみんなそれぞれ車で帰ったんです。 家に帰ってしばらくしてから別のオトコの子から電話があったんです。

「Aが死んだよ…。 あの後の帰りに交通事故で。」

驚いた友達たちは連絡を取り合い、お通夜に参加することになりました。

お通夜が終わった帰り道、もう一人のオトコの子、今度はBクンとしましょうか、Bがこんなことを言いました。

「あの後からかなぁ、オレも急に肩がこるて言うか重たいんだよなぁ。 Aもなんかそんなこと言っていたよなぁ…。」

みんなはAの突然の不幸できっと疲れているんだろうと思い、その時もあまり気にしませんでした。 Bは自分の車で帰っていきました。

そして夜中に電話が鳴りました。

「たいへんだ! Bが死んだ!」

BはAのお通夜の帰り一人で車を運転して帰ったのですが、警察も首をかしげるほど、何でもない緩いカーブの空いた道で、単独事故で即死したそうです。 しかも、乗っていた車はちょっとへっこんだ程度で、とてもヒトが死ぬような事故ではなかったそうです。

Bのお通夜が執り行われました。

立て続けに友達が2人亡くなったことに、みんなは驚き悲しみました。

最後のオトコの子をCクンとしましょうか、Cとそのオンナの子は互いに語らずとも一連の事件はまともじゃないと思っていました。 Cはとても怯えていました。

お通夜の帰り、ついにCはそのオンナの子に震えながらこう言いました。

「あ、あ、あのさぁ…、オレ左の肩が重たいんだ。 AもBも同じことを言っ…。」

「そんなのただの偶然よ! 気のせいよ!!」

オンナの子はCの言葉をすぐさま否定しました。 でも内心は得体の知れない不安で一杯でした。

肩のこと知っているのは、もうCとそのオンナの子しかこの世にいませんでした。 また他人に話すとそれが事実であることを認めてしまいそうで、恐ろしくてできませんでした。

「とにかくお願いだから気をつけて帰ってね。」

そのオンナの子は祈るしかありませんでした。 

生きたCを見たのはこれが最後でした。 やはり自動車事故で即死でした。

私は最初にAがどっかから連れて来た、きっと怨霊とか、祟りとか何か得体の知れない不吉なものが、みんなを殺したんだと思います。 みんなまだ若いのに…。 左の肩が急に重くなったのは、そいつが取り憑いた証拠だと思います。 

先輩はどう思いますか?


釣師郎は返答に詰まった。

そしていやな予感がした。 何か知らない内にあちら側に誘い込まれてしまったような気がした。

「その話て、最後どうなったの?」


「えっ、終わってませんよ。 現在進行形ですよ。」


「…!!。」


釣師郎はシマッタ!と後悔したがもう遅かった。

K子は無表情な顔を釣師郎にゆっくり向けて口を開いた。 目には涙が溜まっていた。


「先輩、どうして私が今朝遅刻したか知っていますか?」


車はまだ峠を抜けていない。

( 早く明るい所へ…。 )


「お通夜の後片付けを遅くまで手伝ってて、朝起きれなかったからなんですよ。 Cクンのね。」


K子は続けた。
 

「その最後のオンナの子て私のことなんですよ、先輩。 次は私たちの番ですかね? 」


( た、たち て何なんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!! )


風に言えば「リング」みたいな話でしょ。 この話を聞いたヒトはつながった輪のように次々に殺されていく恐ろしい話だ。

「リング」は作り話だけどこのK子の話は実話だからね、迫力が違いうでしょ。

この話を聞いた瞬間、釣師郎は助手席で硬くなってしまったよ。 

聞き終えた後、例えば突然フロントガラスに化け物が落ちて来たり、K子と釣師郎の間に何ものかが現れハンドルをいきなり奪うとか、そして釣師郎たちは谷底へ転落して仲良く即死の場面も想像してしまったよ。

でも、何も起こらなかった。

K子とはそれ以降会っていないので、本当の結末がどうなったかは不明である。 まぁ、恐らく生きているとは思うが…。

左の肩に乗ったそいつは最初から3人の命を予定していたのか、3人殺して満腹となって帰って行ったのか、それとも「リング」のようにK子は1週間以内に他人に話したから助かったのか、はたまた単なる偶然だっのか、それとも釣師郎を誑かすために巧妙に仕組まれた罠だったのか、釣師郎にはまったく判らない。

でも、昔から言われている「友引」て言うのは、やっぱり事実なんだと思う怪奇事件であった。

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プロフィール

choshiro

Author:choshiro
釣師朗 (ちょうしろう)
マス類の70オーバー(管釣は除く)はないけれど、60オーバーは数本揚げている程度の自称”大物レイトロ師” 写真の獲物は琵琶湖のビワマス。しかしその実態は小物得意のヒメトロ師だ。
家計の足しに東京湾にも出漁するが、アジ・サバ・キスと典型的な東京湾サンデー小物師。銀山・中禅寺は苦手。芦ノ湖、琵琶湖は好き。ルアーの宗派は天然貝教清貧派の模範的な信者。ビックミノーやバブリーな釣り道具は使わない、いや買えない。
千葉県にあっても”東京”ディズニーランドのある浦安市在住。年齢は平均寿命の半分をとっくに過ぎたねて感じ。大病もしたし後何回釣り出来るかなて思う今日この頃てか。

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